第4章 〜一味との時間 2日目〜
エー「ごちそうさまでした」
何を思ったのか、頭を深々と下げてお礼を言ったのだ。
店「え、あ?え……!?いや、そうじゃなくてお金!!」
エー「あーそっちか」
なんだか、怪しい匂いがするのは私の単なる勘違いだと思いたい。
なんとなくだが、このあとエースが言おうとしていることがわかる気がするのだ。
エー「いやー、悪いな金は今持ち合わせが無くてな」
店「………は??」
あー、予想大的中。
ほら見てよ、店員さん金魚みたいに口パクパクさせてるよ?
店「お、お金がないって……一体どういうことですか!!!?」
あーぁ、店員さん半ば半狂乱だよ、顔真っ赤にして。
店「悪いな、じゃありませんよ!!誰かその人捕まえて――」
エ「あー、あの!!彼の分も私が払いますから!!!」
店「え!!?でもあなたは関係ないじゃないですか!!」
エ「友達なんです!!えーっと、私が払うからって約束してたんで!!!」
勿論、そんな話一度もしてないが、まぁそこは臨機応変に対応するのが私の得意なところの一つだ。
結局、なんだかんだ言いながらも私に押しきられる形でこの騒動は終結したのだった。
エー「なんつーか、悪かったないろいろと。結果的に奢ってもらっちまったわけだし……」
エ「あぁ、いーよ別に。気にしないで!!友達になってくれて嬉しかったし、そのお礼も兼ねてのことだから!!」
今は二人で並んで歩いている。
と、エースが途中で足を止める。
エー「じゃ、俺はちょっと用事があるから。まだこの島にいるし、また会えるかもな!!じゃあな!!」
エ「またねー!!」