第4章 〜一味との時間 2日目〜
頬杖をつきながら窓の外を横切っていく人々を見つめる。
エ(つまんないなぁ……)
今度は口に出さない。
誕生日くらい、誰かにお祝いしてほしいものだ。
エ(シャンクスは私の誕生日、覚えてくれてるかな……)
シャンクスのビブルカードが入った小瓶をそっと握り締める。
ぼーーっと、することもなく窓の外を眺め続ける。
店「お嬢ちゃん」
エ「わっ!!?」
ぼーーっとし過ぎていて店主が近づいて来ているのがまったくわからなかった。
エ「もしかして、もうお店閉めるんですか?」
まだ驚きでバクバクいっている心臓を落ち着かせながら聞く。
店「いや、そうじゃないんだよ。
はい、これ」
そう言って何かをコトリとテーブルに置く。
何かと思って置かれた物を見ると、
テーブルの上には可愛らしい苺がちょこんと乗っかったショートケーキが置いてあった。
エ「???」
私無意識に頼んだっけ?
とか思い頭上にはてなを浮かべながらショートケーキを凝視する私に、店主はこう言った。
店「誕生日に誰にもお祝いしてもらえないのはかわいそうだと思ってね、わしからのお祝いだよ」
エ「………」
しばらく、開いた口が塞がらなかった。
落ち着きを取り戻すと、今度は嬉しさが異常な程込み上げてきて、気づくと頬が緩んでいた。
エ「嬉しい……ありがとうございます!!」
満面の笑顔で店主にお礼を述べる。
すると店主も嬉しそうに笑ってくれた。