第2章 〜出会い〜
出血を防いだあと丁寧に付着した血液を拭き取り、痛み止めの薬を塗り、包帯を巻いて完了。
エ「一応、処置は終わりましたが、大丈夫ですか?」
ル「わ、悪ィ、ありがとな」
エ「まだ、もう少し安静にしていてください」
ル「ん」
…………。
エ(どうしよう、ここまでなんとかこれたけど後のことなんか全く考えてなかった……)
ル「なぁ」
エ「は、はい!」
不意にルフィに呼ばれて我に返る。
エ「もしかして、まだ怪我痛みますか?」
ル「いや、怪我はもうだいじょぶだ。オメーさっき、海軍に捕まるのは嫌だっつてたけど、何でだ?」
エ「あ、えっと…それは……」
今まで誰にも自分の過去を話したことなどなかったため、少し口ごもってしまう。
ル「あー、嫌ならいーんだ、無理に話さなくても!」
エ「だ、大丈夫です。えっと私能力者でどうやら海軍にとって私の能力はとても利用価値があるらしく、私は8歳の頃から追われています」
ル「は、8歳ィ!?」
エ「はい、私が食べたミズミズの実は水を自在に操ることができ、世界で最強の悪魔の実だと言われています。海水も操ることができるため、海軍はミズミズの実の能力者である私が喉から手が出る程欲しいんです」
ル「お前そんなにすげーのか!!」
エ「それで海軍から逃げているうちに懸賞金まで懸けられました」
ル「そ、それだけで賞金懸けられたのか!?お前も大変だなぁ。じゃあ、お前の手配書もあんのか?」
エ「はい、最近になって一気に額が上がったみたいで……ルフィさんには及びませんが、3億8000万まで上がりました」
ル「さ、3億8000万!!?お前が!?すげーなっ!!!?」
エ「別に上げたくもない賞金と知名度が上がってしまってここまで来るのも大変でした……」