第4章 〜一味との時間 2日目〜
驚きと嬉しさでしばしの間放心状態になってしまった。
エ「よかった………」
そして、心から安心したかのようにへにゃっと笑顔になる。
その日の夜、私とのお別れ会と称した宴が行われた。
私は明朝には一人小舟で船を降りるつもりだ。
明日から一人、寂しさが残るがもう決めたことだ。
すっかり夜も更け満月が美しく闇夜の空に輝いている。
手すりにもたれ掛かりながら月を見ていると、人の気配が後ろから近づいてくるのがわかる。
エ「シャン兄…」
シ「お、気づかれたか」
言いながら私の隣に並んで月を見上げる。
シ「あと数時間後かぁ」
エ「うん」
シ「気を付けろよ」
エ「うん」
シ「寂しくなるなぁ」
エ「……うん」
自分は一体いつからこんなに泣き虫になったのだろうか?
昼間あんなに泣いたというのに私の目は涙を出そうとしている。