第4章 〜一味との時間 2日目〜
あんなにたくさんやった練習のようには到底うまくいく筈もなく、結局泣いてしまった。
プライドも恥も捨ててシャンクスに泣きつく。
シ「ま、まいったなぁ……どうすれば………」
エ「…ひぐっ、シ、シャンクス……」
シ「っ、ど、どうした……?」
普段呼ばれ慣れない実名で呼ばれる度にドギマギとしてしまう。
シャンクスが心配そうに、少し困ったように優しく耳を傾けてくれる。
涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げると、心配そうに私を見下ろすシャンクスと目が合う。
エ「私はッ…シャンクスのこと、ひっく……好きッ、っん………シャン、クスは私のことッ……好き………?」
シ「っ!!?」
突然の告白に驚いて飛び上がりそうになる。
エ「海賊は、嫌いでもッ……シャンクス達は、ひっく………好き、シャンクスは…?海賊のこと、嫌いな私のッ…ことなんか、嫌い……?」
しゃくり上げながら、涙目ですがり付くように問うてくる。
自分に嫌われたくないという思いが伝わってくるその可愛らしい姿に、思わず腰が疼きそうになり慌てて自分でブレーキをかける。
シ(あぶねーあぶねー、危うく食うところだ……)
そんなことをしてはかつてエミリを傷つけたどこぞの海賊と変わらなくなってしまう。
エ「シャンクス……?」
シ「もちろん俺も好きだぞ。
たとえエミリが海賊を嫌っていたとしても、俺たちは友達だ。
それはこれから先も変わらない事実だ。
だから泣くな」