第4章 〜一味との時間 2日目〜
正直に言うべきか、少し悩んだ。
が、嘘を吐いても意味がないとわかりきっていた為正直に口を開く。
エ「さっきの倉庫内で、悪魔の実を食べた」
中「あれを、食ったのか」
エ「うん。ねぇ、あれは何の実だったの?」
中「あれはロギア系最強種、ミズミズの実だ。水を気体から液体、液体から個体へ。水、要は水分であれば自在に操ることができる実だ」
エ「水を、自在に…」
中「あぁ、だが最強種である変わりに、その実には弱点がある。能力を使えば使う程自身の体力を消耗し、命を削る」
エ「命を……?」
中「何で食った」
エ「え?」
中「何でお前みてぇなガキが…」
先程までの雰囲気と違いおどろおどろしいそれが彼から漂う。
中「あの実はなぁ、最強種だから手に入れるのに苦労したんだぞ。何年かかったと思う?10年だ。10年かかったんだぞ」
明らかに様子がおかしくなってきている。
中「10年かけてやっと手に入れたと思ったらこれだ。取引相手になんて説明すりゃいい?」
まるで私がここにいないかのような口振りである。
エ「取引……?」
彼が無意識に発した可笑しな単語を、私は聞き逃さなかった。
彼がハッと我に返ったように私の方を見る。
私と目が合うと、中将さんは顔にニタリと笑みを浮かべた。
中「なぁ、俺が今何考えてるかわかるか?お前があの悪魔の実を食っちまったんなら、お前をあいつらに引き渡せば良いわけだ」
エ「っ!!」