第2章 出会い
あれ?
僕はどうやら気絶していたらしく、気付くと先程までいた駅に戻ってきていた。
横を見ると隣のベンチに座っていた人がいる。
なんだか不思議そうな顔でキョロキョロしている。
「あ、あの!あなたが助けてくれたんですか?」「あ、あの!あなたが助けてくれたんですか?」
思い切って声をかける。
きっとこの人があの時の声の主だと思ったからだ。
「いや、えっとね、僕は助けようと思ったんだけど、いつの間にかここにいて......」「いや、えっとね、僕は助けようと思ったんだけど、いつの間にかここにいて......」
つまり、助けてくれたのは他の人なのだろうか。
でも、この人もいつの間にか?
そんな事ってあるのかな。
だってそれってこの人も気絶してたって事にならないか?
その人は少し離れた場所で携帯をいじっている赤ジャージの人の方を見た。
「......シンタローはどう思う?」
「あ?ああ、俺もコノハが勝手に行くから追いかけたけど、いつの間にかここに戻ってきてたんだよ」
だるそうに答えるシンタローさん。
その視線は携帯に向いたままだった。
「そっか、エネはどう思う?」
シンタローさんの方を見たまま聞くコノハさん。
でもその方向にはシンタローさんしかいない。