第1章 日常
『なっ…そんなこと、有り得るわけっ』
『やめろ…俺は悪くない!!』
『___…___なのか?』
『殺してやる…っ!』
『なんで、どうし、て…お前が!』
『皆、死ンデシマエバイインダ…!』
キーンコーンカーンコーン
「……っ!」
授業の終わりを告げるチャイムと共に少年...夜神翔は跳ね起きた。どうやら眠ってしまっていたらしい。最後に記憶があるのは今から丁度三十分くらい前だ。
翔は眠ってしまったことを悔いながら、今の時間が自習で良かったと溜息をついた。
他の生徒達は既にお昼休みに入っている。
バシン!
「なーに寝てんだよチビ!」
と、突如背後から響いた聞き覚えのある声と、後頭部に奔る痛みに、一瞬虚をつかれる。...がすぐに振り返り手元にあったコンパスを握りしめて振りかざした。
「テメェ...何すんだ朔馬ぁ!」
「ちょ...!?タンマタンマ!流石にコンパスはマズいって!」
コンパスを振りかざしたままそれを突き刺そうとする翔を朔馬こと柳朔馬が必死に手首を掴んで抵抗する。
一見するととてつもなく物騒な光景なのだが、この二人の場合は毎日恒例のようにおなじ遣り取りをしている為、クラスメイト達はまたか...と苦笑するしかない。そして...