第2章 出会い
【絵菜side】
わいわい…
?なんだか賑やかだな。
屋台に近付くにつれて、大勢の笑い声や怒号?らしきものが聞こえてくる。
大勢といっても、屋台の大きさからして、せいぜい5、6人といったところか。
…やっと全貌が見えてきた。暖簾には、¨おでん¨の文字。
おでん…これはあったまるだろうなぁ…。
一向に収まりそうにない腹の虫を携えて、私はいよいよ屋台の側までやってきた。
わぁ、男の人がたくさんいる…。
声からして、同世代かな?それにしてもなんだか楽しそう。
って、ありゃ。席埋まっちゃってない?どうしよう…。
ぐー。
ここにきてまた鳴る、空気を読まない腹の虫。
……仕方がない!いっそ立ち食いでもいいからお邪魔させてもらおう!私は空腹に弱いんだ!
ぐっと拳を握りしめて自分を奮い立たせる。…大げさだけど。
そして私は努めて平静な振りを装いつつ、暖簾をくぐった。