第2章 出会い
【6つ子side】
「みんな、そろそろ帰ろう。もういい時間だしさ」
そう言って、チョロ松は席を立つ。
「そうだな。じゃあカラ松、さっきも言った通り勘定よろしく!」
程よく酒の回っているおそ松が、カラ松に向けてグッと親指をつきだす。
「ま、待ってくれ兄貴、なぜ俺なんだ?」
カラ松が焦っていると、トド松が
「またまたとぼけちゃって〜。こないだ珍しくパチンコで勝ったでしょ?僕たちが知らないとでも?」
と、満面の笑みでウインクする。
「な?!ち、違うぞ、いや、違ってはいないが今は手元に
「十四松、卍固め」
「あい!」
一松に命令された十四松が、慌てふためくカラ松に必殺の卍固めをキメる。
ぐぎぎぎぎ
「ぎゃああああ!なんで俺の時は間違わないのおぉぉ!?」
再び悶絶するカラ松。
チョロ松はそんな3人を冷ややかな眼差しで見つめながらため息をつく。
「ああもう、こんなとこで喧嘩しないでよ、子供じゃないんだから。仕方ないな、じゃあ今はとりあえず俺が立て替えておくから、後でちゃんと払ってよカラ松」
「…は、はい…」
力なく返事をするが、すっかり意気消沈のカラ松。
「よくやった、十四松。明日バット好きなだけ振っていいぞ」
「まじまじ?!やったー!いっぱいスイングすっぺー!」
よく分からない謎の会話を繰り広げながら、一松が十四松の頭を撫でていると…
「あのぅ…こんばんはー」
「「「「「「!!?」」」」」」