第2章 出会い
「そんなことよりチビ太〜、ほらもう一杯!」
「話を聞けバーロー!」
赤いパーカーを着た青年…松野おそ松は、にへらと笑いながら再び酒をねだり始めた。
「頼むよチビ太〜。俺、チビ太の店の酒が一番好きなんだよ〜」
ぴくっ
「なんだそれ。酒って店によって味変わるの?初耳なんだけど」
緑のパーカーの青年…松野チョロ松が、呆れ顔でおそ松を見る。
しかし、その何気ない、というか深い意味のないおそ松の発言に気を良くしたのか、
「…ちっ。あと一杯だけだぞ、コンチキショー」
と、チビ太は少し照れながらビール瓶を差し出してきた。
「やた!ラッキー♪」
「ちょ、チビ太!?何乗せられてんのさ!」
「お前も飲む?シコ松」
「んだとゴルァ!!」
バタバタと慌ただしい兄たちを尻目に、紫のパーカーの青年…松野一松は、一人黙々と手羽先を食べていた。
…おでん屋台に手羽先があるのが少し謎だが。
「あ、ねぇ一松兄さん。その手羽先、僕にもちょーだい」
ピンクのパーカーの青年…松野トド松が、上目遣いで一松に手羽先をねだる。
しかし一松は
「やだ」
と即答。
「えー、一松兄さんのケチ」
「あ、じゃあ僕は?僕にもちょうだい!」
黄色のパーカーの青年…松野十四松が割って入る。
「…まぁ、十四松にならいいよ」
「わーいっ!」
「何それ!?なんなの、この扱いの差!」
ぎゃいぎゃい…とおそ松たちとはまた違う意味で騒ぎ出す弟たちの横で、青いパーカーの青年…松野カラ松は星空を見上げる。
そして、一言。
「ふっ…俺はやはり、孤独に生きるロンリーウルf
「カラ松〜、今日の勘定よろしくな!」
「……え?」