第6章 松野家にご招待!
【絵菜side】
私はトド松くんとの待ち合わせ場所である赤塚公園にやってきた。
約束の12時半まであと10分。まだ来ていないだろうと思いつつも一応周りを見回してみる…と。
「…あっ…絵菜ちゃん!」
少しおどおどした声で名前を呼ばれ、振り向く。そこにはなぜかトド松くんではなく、チョロ松くんが立っていた。
「チョロ松くん!どうしてここに?」
「あ、ああ、うん、おかしいよね。僕もなんでこうなったのかよく分からないっていうか…」
「?」
チョロ松くんはまともに私と目を合わせようとせず、それどころかどこか落ち着きがなく挙動不審に見える。心なしか顔も赤いような…
「…えっと、とりあえず私を迎えに来てくれたってことでいいのかな?」
「え!そ、それはもちろん!」
なぜか声が裏返る。…具合でも悪いのかな?
「チョロ松くん?もしかして体調優れない?」
よく見れば冷や汗もすごいし…何があってトド松くんと交代したのかは分からないけど、私のために無理してもらうわけにはいかないよね。
そう思ってチョロ松くんに近付いて顔を覗き込むと…
「うっうわあぁぁッ!?」
ズザザザザザッ
Σ「!?」