第6章 松野家にご招待!
【トド松side】
絵菜ちゃんとのやり取りを終えてから、僕は喜びのあまりガッツポーズをした。
やった!絵菜ちゃんがうちに来る!
昨日の夜銭湯から帰って、みんなで父さんと母さんに絵菜ちゃんのことを話したら、「ぜひうちにご招待しよう!」って言われちゃったんだよね。
あの時の父さんと母さんのキラキラした表情といったらもう…まぁ仕方ないか、彼女いない歴=年齢の無職童貞の僕たちに、トト子ちゃん以外で初めてできた女の子の友達なんだから。
あ、そうだ。一応兄さんたちにも報告しておかないと。絵菜ちゃんが来るかもしれないから、みんな今日はずっと家にいるんだよね。
本当は二人きりで会いたいんだけど、さすがにまだ早いか。何より兄さんたちが黙ってないよ。なんせ5人の敵だからね。
…いや、待てよ?もし僕が迎えに行くと言い出したとして、あの悪魔たちはそれを簡単に了承するだろうか?
屋台の時も軽く(?)論争が巻き起こっちゃったわけだし、無駄な争いを避けるためにもここは黙って抜け出して…
スパァァァンッ
「トド松ーっ!兄さんたちが呼んでるよー!」
「のわぁぁあッ!?」
いきなり物凄い勢いで襖が開かれたかと思うと、十四松兄さんがなぜか逆さまの状態で部屋に上半身を突っ込んできた。ちょ、心臓に悪いよ!思いっきり叫んじゃったじゃん!てかそれどういう状況?!
「じゅ、十四松兄さん…びっくりするから次からは普通に入ってきてくれる…?」
「うん、分かった!」
シュタッと綺麗なフォームを描いて床に着地する。天井に張り付いていたのだろうか。え、なんか怖くない?さすが、ジャンル:十四松。
「あ、えっと、なんだっけ?兄さんたちが呼んでる?」
「そう!」
「分かった、今行くよ」
タイミング悪っ!嫌な予感しかしない…