第5章 早くも再会
手早く着替えて、髪をドライヤーで乾かしてから脱衣所を出る。
みんなはまだみたい。私お風呂って早いほうだからな。
「おや、あの6人を待ってるのかい?」
受付の近くに立っていると、番台のおばあちゃんに話しかけられる。
「あ、はい。みんなをご存知なんですか?」
「そりゃあ、あの子らはここいらじゃうんと有名だもの。お得意様でもあるしねぇ。あんたは友達じゃないのかい?」
「いえ、3日前に知り合ったばかりなんです。私、最近東京に引っ越してきたばかりだから、みんなの噂も聞いたことがなくて。やっぱり目立ちますよね」
「ふふ、まぁ悪い子たちではないよ。昔はそれこそ悪さばかりする問題児だったけれど、あの頃に比べればだいぶ大人しくなったもんだねぇ」
わ、悪さばかりって…すごくやんちゃだったんだろうな…。
「あんたみたいな器量の良さそうな娘を嫁にもらえば、あの子らも少しはまじめになるのかねぇ」
「よ、嫁!?」
いきなりの突拍子もないワードに声がひっくり返る。な、何言ってるの、このおばあちゃん!
「あ、先に上がってたんだな。ごめんごめん」
と、なんとも絶妙というか最悪なタイミングでおそ松くん始め6つ子のみんなが脱衣所から出てきた。
「?なんだか顔赤くない?」
おそ松くん、鋭すぎるよ!…いや、私が分かりやすいのか。
「湯上がりだからだろ。それを言うなら僕らだって赤いじゃん」
「あ、そうか」
な、ナイスフォローだよチョロ松くん!そんなつもりじゃなかっただろうけども!
「もう閉館だし、外に出ようか。おばあちゃん、また明日ね!」
トド松くんが番台のおばあちゃんに挨拶をする。それに倣い、みんなもぺこっとお辞儀をした。さすが常連さん。
「はいはい。おやすみ」
私も軽くお辞儀をして、おばあちゃんに見送られながらみんなと外に出た。