第5章 早くも再会
「……で、だ」
外に出た瞬間、おそ松くんが私に向き直る。それに合わせて、みんなも一斉に整列し、私を見つめてきた。
「…え?な、なに?」
「俺たちは、君に聞いておかなきゃいけないことがある」
なぜかすごく真面目な表情のおそ松くん。それに合わせて、みんなもキリッと真面目な表情。…そ、揃われると怖いんですケド…
「えーと…それって?」
6つ子の迫力にタジタジになっていると、
バババッ!
いきなり全員が私に向かって頭を下げてきた!
「「「「「「名前教えてください!」」」」」」
…………
……はぃ?
「…笹倉 絵菜…です…?」
…暫しの沈黙。…え、名前だよね?名前言えばよかったんだよね??
「あ、あの、みんな…
「絵菜ちゃん!」
「ふぇっ?!は、はい!」
急にバッと頭を上げたおそ松くんに名前を呼ばれ、反射的に返事をする。こ、今度は何!?
「「「「「「俺(僕)たちと友達になってください!!」」」」」」
……………
「…あ、は、はい。喜ん、で…?」
「「「「「「ぃやったあぁぁぁーーっ!!」」」」」」
Σ「!?」
満面の笑みで心底嬉しそうに踊り出す6つ子のみんな。……どういうことなんだろうか。私はそんなに偉大なことを成し遂げたのだろうか。いや、そんなわけはない。…ないよね?
「ねぇ、絵菜ちゃん!」
みんなの輪の中から、ぴょこんとトド松くんが顔を出す。
「あ、なに?トド松くん」
「MINEしてる?よかったら僕と交換しない?」
「うん、いいよ」
友達が増えるのは純粋に嬉しいので快諾し、スマホを取り出すと…
「…あ。あいつまた抜け駆けしてる」
「なんだと?!あぁ!ずりぃぞトド松!」
一松くんに目敏く見つけられ、おそ松くんがなぜか激怒。二人に気付いた他の3人もこちらを凝視してくる。
「あ、みんなともちゃんと交換するよ?」
慌てて宥めようとする私を、トド松くんが手で制した。
「それは無理だよ絵菜ちゃん。兄弟でスマホ持ってるの、僕だけだもん♪」
「えぇ!?」
またもや衝撃の事実発覚。
そしてその発言を燃料として、5人に闘志の炎が燃えたぎった。…いや、人体自然発火とでもいうべきか…