第26章 6つ子と、私。【ノーマルEND】
階段に消えていった彼らを見て、思わず首を傾げる。
な、なんだったんだろう…?
それから、約1分後。二人が、こっちのホームにやってきた。
「絵菜ーっ!」
「絵菜ちゃーんっ!」
「!十四松くん、トド松くん!」
私の元へと走ってきた二人は、なぜか汗びっしょりで非常に疲れている様子だった。あそこからここに来るまで、そんなに大変だったのかな…?
「どうしたの?二人も電車でどこかに行くの?」
「ううん、僕たちは君を探しに来たんだよ」
「え?」
「だって絵菜、¨実家に帰らせていただきます!¨なんでしょ?お別れなんて嫌だよー!」
今にも泣き出してしまいそうな十四松くんと、不安そうに私を見つめるトド松くん。
…うん?ひょっとしなくてもこれ、何か勘違いされてる?
「…あ!いた!」
「絵菜!」
「よ、よかった、間に合ったみたいだ」
「…疲れた…死ぬ…」
別の方向から、おそ松くんとカラ松くん、チョロ松くんと一松くんまでもが姿を現す。
ま、まさか、全員で私を探してたの!?
「み、みんな…」
その時、ホームにアナウンスが流れる。電車の出発時間が、残り5分にまで迫っていた。
「も、もしかして、この電車に乗るの?」
「う、うん」
チョロ松くんの言葉に頷くと、みんなが一斉に慌て出す。
「ちょ、もう時間ないじゃん!おいチョロ松、代表してお前から彼女に言え!」
「な、なんでだよ!こういう時の長男だろ!それかカラ松!たまには次男らしいことしてよ!」
「お、俺は無理だ!専門外だ!」
「ああもうあんたらそれでも兄なの?!ほんっっとしょーもな!」
「トッティ、パース」
「パース!」
「さっきの円陣は?!一致団結どこ行ったの?!所詮口だけかお前らぁぁぁッ!!」