第26章 6つ子と、私。【ノーマルEND】
「…ん?MINEだ」
体を起こしてソファに座っていたトド松が、素早くスマホをタップする。
その反応の速さに、おそ松とチョロ松はしらけムード。
「なーチョロ松ぅ、お兄ちゃんもスマホ欲しいな〜」
「なんで俺に頼むの、その前にまず働け」
「トッティの¨リアルが充実してます¨感が見ててたまにイラッとすんだよ」
「…それは…分からなくもないけど」
「ほら、やっぱお前も俺と同類じゃん」
「いや、おそ松兄さんと一緒にしな「えぇぇぇぇーーーッ!!?」ってわぁっ!?な、なに、トッティ!どうしたの?!」
チョロ松のセリフと被るようにトド松が叫び、二人は仰天する。
トド松は口をあんぐりと開け、ガタガタと全身を震わせ冷や汗を流しながら、スマホ一点を凝視していた。
「トッティ?ああ、もしかして女の子にフラれたりでもしたの?愉快だからお兄ちゃんにも見ーせてっ」
「最低だなおそ松兄さん。…ごめん、そういうわけじゃないけど僕も気になるから見るよトッティ」
両脇から、おそ松とチョロ松がスマホの画面を覗き込む。
そこには、こう記されてあった。
笹倉絵菜『今日急遽里帰りすることになりました!みんな、元気でね』
「「えぇぇぇぇーーーッ!!?」」
タンッ
「…ねぇ、さっきからうるさいんだけど」
「何やら叫び声が聞こえたんだが…」
「やきう!?」
居間にいた3人が襖を開けて中に入ってくる。
おそ松たちが固まっているのに気付き、十四松は首を傾げた。
「3人ともどったのー?あ!やっぱ野球観戦?!見してー見してーっ!」
「一回野球から離れなよ十四松…ってか音鳴ってないし。…ほんとどうしたのみんな。スマホ?」
「覗いてみるか」
カラ松の提案に一松と十四松は無言で頷き、3人はソファの裏側に回り込む。
そして、案の定。
「「「えぇぇぇぇーーーッ!!?」」」
…松野家6つ子、灰になる。