第26章 6つ子と、私。【ノーマルEND】
【6つ子side】
とある日のこと。
「…ねぇ、おそ松兄さん」
「んー?」
二階の部屋でだらだらとソファに寝転がっているトド松が、同じくだらだらと床で寝ながらマンガを読んでいるおそ松に話しかける。
「僕たち、いつになったら働くんだろうね」
「えー、それ聞いちゃう?トッティ。鬱になるから休みの日にそういう話すんのやめようぜー。人生働かなくても生きていけーるって偉い人が言ってたじゃーん」
「あー確かにねー。マジ長男頼りになるわー」
「だろぉー?」
「信頼できるー好きぃー」
スパアァァンッ!!!
「いやもうそのクソほどの価値もない無気力系漫才やんなくていいから!!てかおそ松兄さん一度のセリフにどんだけボケ詰め込んでんだよ俺の声帯潰す気か!」
スタイリッシュ襖開けとスタイリッシュツッコミと共に部屋に乗り込んできたチョロ松が、だらけまくりの長男と末弟にズカズカと歩み寄る。
「出たなライジングチョロシコ三郎ー」
「ライジングチョロシコ三郎って誰!」
「ふわーぁ…僕眠くなっちゃった。おやすみー三郎兄さん」
「それこそ誰だよ!つか寝んなオラァッ!」
一方その頃、一階居間では。
ドタンッ…ドタンッ…
「…二階が騒がしいな。ブラザーたちは一体何をしているんだ?」
ちゃぶ台を囲うように座って同じくだらだらしていたカラ松、一松、十四松は、ほぼ同時に天井を見上げる。
「プロレス?!野球かな?!」
「…ああ、そうかもね」
「いやさすがに野球はないだろう。はっ!野球ではなく野球観戦をしているんじゃ…ビンゴ〜?」
「クソが黙れ死ね永眠しろ」
「えぇ…(実質死ねって2回言われた…)」
「野球観戦!?部屋で野球観戦できんの?!」
「トッティのスマホで見ようと思えば見れんじゃない?」
「マジでマジで!あ、でもそれならここにテレビあるから意味ないね!」
「正論だな」
「……(肩身が狭すぎる…)」
今日も6つ子の日常は平和そのものだった。
…彼女から衝撃のメッセージが送られてくるまでは。