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【おそ松さん】本気の恋と、6つ子と、私。

第25章 幸せに咲く花【トド松END】





「…と、トド松くんと…喧嘩、しちゃって…」


「…あー」


なぜかおそ松くんは、「やっぱりか」と呟いて頭を掻く。


「いつかこーなるんじゃないかって思ってはいたけど…あいつもバカだよなぁ」


「…何か、知ってるの?」


「うーん…どこまで喋っていいやら」


あはは、と力なく笑う彼。少なくともおそ松くんは、私とトド松くんが仲違いしてしまった原因に心当たりがあるらしい。


「そうだな、あんまり詳しくは言えねぇけど…トド松ってさ、癖っていうか、ちょいと厄介なもん抱えてるとこあんだよね」


「厄介な…?」


「ああ。それを引きずってる部分もあって、なかなか素直になれないんだと思うよ?…ま、これ以上は俺の口から言うべきことじゃないだろうし、トド松から直接聞いたほうがいいかもな」


「…でも私、トド松くんにひどいことしちゃったの。だからもう、会えないと思う…」


「いやいや、気にする必要ねぇってそんなの。…だってさ、ほら」


おそ松くんが私の後ろを指差す。…暗がりの中、街灯の光でうっすらと見える人影。


「…あ…」


ゆっくりとこちらに近付いてくる、その人物は。


「トド松、くん…」


…どうして。


さっきは追いかけてきてくれなかったのに。


「…じゃあ俺、そろそろ行くわ。絵菜、あのバカな末弟のこと、よろしく頼むな」


「えっ…おそ松くん!」


「礼はいらねぇよ。…その代わりしっかり誤解解いて、後日俺にちゃーんと報告してくれよな!んじゃっ、そーいうことで!」


お礼を言う隙すら与えずに、おそ松くんは暗闇の中に消えていってしまった。


彼と入れ違うかのように、後ろから声がかかる。


「……絵菜ちゃん」


「!トド松くん…」


「今の…おそ松兄さんだよね?」


トド松くんは、おそ松くんが去っていった道の先に視線を移す。こんな暗がりで遠目からでも分かるだなんて、さすが兄弟だな…。


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