第25章 幸せに咲く花【トド松END】
叩きつけるような雨が降る。
ここ数日はずっとこの調子だ。おかげで仕事以外に外出する気が全く起こらない。
仕事が休みのこの日も、私は自室でルルと戯れながら、まったりと過ごしていた。
…6つ子のみんなと会わなくなって、もう1ヶ月近く経つだなんて、未だに信じられない。
会ってはいけないわけではない。連絡だって取れる。それどころか、彼らから2日に一回はMINEのメッセージが来るくらいだ。
でも、就活をし始めたらしい彼らも最近は忙しいらしく、私も簡単には予定を合わせられないのもあって、結局再会の目処は立っていない。
それは仕方がない。むしろ彼らが働く気になってくれたのを喜ぶべきだ。私は応援するだけ。
…でも、一つ。
一つだけ、気になることがあるとすれば、
トド松くんからの連絡が、途絶えてしまったことだ。
MINEでメッセージをくれるのは、いつもトド松くん以外の誰か。それか、兄弟全員。
でもそこに、トド松くんの名前はない。そもそもスマホの持ち主は彼なのに。
…無視されてる?けど、みんなには繋いでくれてるみたいだし…何より、無視されていたとしてもその理由が分からない。
何週間か前までは、彼もメッセージをくれていたのに…どうして?
ただでさえ私は…トド松くんのことが、好きなのに。
今考えれば、前兆はあった。多分、トド松くんに初めて助けてもらった時から。
もちろんその時は、ただ漠然とした気持ちが渦巻いていただけで恋にも否定的だったし、トラウマも消えてはいなかったから、好きとは違う感情だったと思う。
しいて言うなら、そう…¨信頼¨。私が心の底からまた誰かを信じることができるようになったのは、彼のおかげだったのかもしれない。