第24章 宝物は君だけ【十四松END】
電車をいくらか乗り継ぎ、無事遊園地に到着。ね、念願がついに叶っちゃったよ…!
予想通り園内は大勢の人で賑わっており、手を離したらあっという間にはぐれてしまいそうなほどだった。
「しっかり握ってようね、絵菜。離しちゃだめだよ」
「うん」
私たちはもう一度ぎゅっとお互いの手を握り直す。さて、何から乗ろうかな。
入場口でもらった全体マップを広げてみる。さすが関東地区じゃ1、2を争うほどの超有名どころ。半日で全部は無理だから、せめて乗りたかったやつだけでも乗りたいなぁ。
「絵菜、まずは何にするー?」
「うーんと…このジェットコースターがいいな!」
「あ、それすんごく面白いよ!」
「乗ったことあるんだ?」
「うん!何年か前に家族全員で遊びに来た時!僕とおそ松兄さんと一松兄さんは平気だったんだけど、他の3人が失神しちゃって大変だったんだー!」
「へ、へぇー…」
その時の様子が容易に想像できるのはなぜだろう…というか十四松くん、それ笑顔で言うことじゃないよね?!
だ、だんだん不安になってきた…私は絶叫系わりといけるんだけど、確かにここのコースター系、怖いって評判のものばっかりなんだよね。
「大丈夫。僕がついてるよ」
「!十四松くん…」
私が不安そうにしてたの、気付いてくれたのかな?彼の笑顔を見てると、安心する…。
「うん!じゃあこれに乗ろっか!」
「いいよー!」
それから私たちは並んで30分ほど待ち…
いざ、出発!!
「キャーーーーッ!!!!」
「ぃやっほぉーーーーいっ!!!!」
「し、死んじゃう…死んじゃうからぁーーーっ!!!!」
……ダメでした。