第24章 宝物は君だけ【十四松END】
冗談混じりにそんなことを言いながら右手を差し出すと、十四松くんは嬉しそうにぎゅっと握りしめてくれる。
ああ…なんだかいいな、こういうの。
「あ、あの、絵菜!」
「ん?なぁに?」
「絵菜も…その服、似合ってるよ!か、可愛い!」
「!」
十四松くん…そんなに顔を真っ赤にしながらなんて、反則だよ。
「…ありがとう。お世辞でも嬉しいな」
「おせち?」
「うん、おせちじゃなくてね…」
…可愛いから、いっか。
「それで、どこに行くの?」
「ここだよ!」
彼に、一枚のチケットを渡される。書かれている文字を読んで、私は驚愕した。
「こ、ここって、私が都会に来たら絶対行きたかった遊園地!!」
「あ、行ったことないんだ。ちょうどよかったね!」
てっきりアウトドアコースだとばかり思っていたのに、まさかこんなサプライズが待っていようとは…!というかここって平日でも超満員じゃなかったっけ?私のためにわざわざチケットを取ってくれていたなんて、感動して涙が出そうだよ…!
「あ、ありがとう、十四松くん…私もう死んでもいいかも…」
「えーっ!?だめだよ、絵菜、死んじゃだめー!」