第24章 宝物は君だけ【十四松END】
そして、4日後…十四松くんとのデートの日。
服装もメイクも自分なりに整えたつもり。可愛さを重視したけど、多少は動きやすい格好にしてみたから、木登りでも山登りでもどんとこい!…という気概だけはある。
部屋で待ってて、と言われたから、彼が来るまで鏡の前で最終チェックを行っていると…
ピンポーン!
「!」
十四松くんだ!
「はーいっ!」
扉を開けると、そこには確かに十四松くんがいた。
でも…
「じゅ、十四松くん、どうしたのその服!」
パーカーでもない、前のデートの時のオーバーオール姿でもなく…
「あはは、これ?トッティに貸してもらったんだ!」
上は白のYシャツにベスト、黄色いネクタイ。トレードマークの短パンではなく、裾を少しだけ折り曲げたチノパン姿。
確かに普通ならトド松くんが着ていそうなコーディネートなのだ。
「デートだから、こういう服の方が合うかなって!でも僕あんまり持ってないから、トッティに相談したんだー。…ね、似合う?似合うかな?」
「もちろん!すごく似合ってるよ十四松くん!なんだか新鮮だし、大人っぽくてかっこいい!」
「!!」
十四松くんの顔が、カーッと一気に真っ赤に染まる。蚊の鳴くような声で「あ、ありがとう…」と言う彼は、やっぱり可愛いと思ってしまった。
デートじゃなくても、普段からこういう服着ればいいのに…だいぶ印象変わるんだけどなぁ。
「じゃあ、さっそく行こっか!あ、手つなぐ?」
「えっ!う、うん、つなぐ!つなぎたい!」
「ふふ、はい。しっかりエスコートしてね、十四松くん」