第23章 未来の選択【一松END】
「あ、あの、一松くん!昨日は助けてくれてありがとう!それから…怪我させちゃって、ごめんなさい」
「……」
沈黙…うぅ、一松くん怒ってるのかな…
「…あの猫、無事に帰せた?」
「え…あ、うん、昨日すぐに電話して…飼い主さん、とても喜んでたよ」
「…そう」
あ…一松くん、安心してくれてる。ほんの少しだけ嬉しそうだ。
っと、これも忘れちゃいけない。言い辛いけど…
「そ、それでね、えっと…ルルも、無事に見つかったよ」
「え…!どこにいたの?」
「あー…そ、それが…」
***
時は遡って二時間前。
「そういえば、最近忙しくて洗濯物溜め込みっぱなしだったな。後でコインランドリーに持っていかないと」
物置部屋に山積みにされていた衣類を鞄に詰め込もうとすると…
「にゃー」
「……ん?」
その中からすぽっと、小さな何かが飛び出してきた。
「にゃー?」
私の膝の上にちょこんと乗る、愛らしい子猫。
………………
「…ルル…?」
「にゃー!」
「ルルーーーッ!!?」
***
「…と、いう次第で…どっちにしろ洗濯物を溜め込んでた私が悪かったというか…あ、あはは…」
「……………」
「あははは、は……」
こ、殺される…!一松くんが人殺しの目をしているよ…!!
「ほんっっっとうにごめんなさい!!!この罪は一生かけて償います!!なんでもします!!!」
ぴくっ