第23章 未来の選択【一松END】
「……へぇ、¨なんでも¨?」
一松くんの纏う空気が変わる。
「!え、えっと、で、できる範囲で…」
「へぇー…」
ニターリと黒い笑みを浮かべる一松くん。
本能が危険を訴えている…!で、でも、逃げるわけにはいかない。何を言われても私に拒否する権利なんて…
「…じゃあさ、さっきの台詞の続き、聞かせてよ」
「…へ?」
思ったより普通の要望に、胸を撫で下ろす…いや待って、さっきの台詞って、まさか…!
「え、えっと…!」
「『一松くんのことが…』…何?」
「〜〜〜ッ!!」
言えない!言えるわけない!
だってさっき、一松くんは寝てたし…!私もなんだかおかしくなっちゃってたというか…!
「…言えないの?なんでもするんでしょ?さっきの謝罪は嘘なの?」
「!!う、嘘じゃないよ!」
「じゃあ、言って」
「うぅ…っ!」
もう…誤魔化せない。
「…私は…一松くんのことが…」
「……」
「…一松くんの、ことが…………好き、です…」
…心臓の鼓動が、ばくばくと鳴り響く。
顔も火照って、全身が熱い。
…誰かに愛を伝えるのって、こんなに緊張するものだっけ…
「…俺でいいの?」
「え?」
「本当に、俺でいいの?後悔…しない?」
私は微笑んで、彼の手を取り、優しく握る。
「後悔なんてしないよ。…大好き、一松くん」
そして今度は、私から彼の唇にキスをした。
「…!」
「…顔、真っ赤だよ?」
「っう、うるさい…」
ぷいっとまたしても顔を逸らされる。ああ、また拗ねちゃった…
と思ったら、彼の左腕に体を引き寄せられた。
「!一松くん…」
「…僕も、絵菜が好き。だから…ずっと、一緒にいてくれる…?」
「っもちろんっ!」
…それは、二人で紡ぐ、幸せな未来の始まり。
この先、どんな困難が待ち受けていたとしても、一緒に乗り越えていこう。
あなたと共に、いつまでも…―
《Happy End》