• テキストサイズ

【おそ松さん】本気の恋と、6つ子と、私。

第23章 未来の選択【一松END】





「お、おまたせ一松くん!…あれ、一松くん?」


ベンチに、彼の姿がない。う、嘘、ちゃんと5分以内に買ったのに!


「…ねぇ、こっち」


「ひゃわぁっ!?」


「!?」


背後からいきなりポン、と肩を叩かれて、私は驚きのあまり弁当を落としそうになった。


振り向くと、私と同じくびっくりして目を見開いている一松くんが。


「…急に大声出さないでよ…入り口の横に立ってたの見えなかった?」


「え?あ、全然見てなかった…一松くん、帰っちゃったのかと…」


「まぁ…5分過ぎたら帰ってたかもね」


ニヤリ、と意地の悪い笑みを浮かべる。よ、よかった、間に合って…


「…で、やたらと袋大きいんだけど、それ弁当なの?」


一松くんが私の持っている袋を指差す。我ながらかなりの大きさだ。


「うん。夜って一番たくさん食べるでしょ?だから種類の違うお弁当3つも買っちゃったんだよね」


「…は?3つ…?」


「後は、お茶2本、デザート2つってところかな!ん?一松くん、どうしたの?」


「……胃がブラックホールな人間って、本当にいるんだ……」


「??」


小さな声だったから聞き取れなかったけど、彼が怯えてるように見えるのは気のせいかな?


ううん、そんなことより、わざわざ待っててくれたんだもん。もっといろいろ話したいな。


「一松くん、歩きながらでいいから、少し話さない?」


「…話す?」


「ほら、お互いの近況とか!半月近く会ってなかったし、何か変わったことがあるんじゃないかなって」


「…ああ…そういうこと。別にいいけど」


「ありがとう!」


やった!これで一松くんと一緒にいられる。


でも、あんまり長くはいられないよね。一松くんはおつかいの途中だったわけだし。


「…家まで送る。こっからだとわりと距離あるし、ちょうどいいでしょ」


「気持ちは嬉しいけど…一松くんが帰るの大変になっちゃうよ?」


「みんなは待たせとけばいいよ。どうせ家でだらけてるだけだしね」


「そ、そっか…」


一松くん、パシリにされたこと根に持ってるんだな…。


「じゃあ、行こ」


「うん!」


/ 325ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp