第22章 恋い焦がれたその先に【チョロ松END】
「チョロ松くん…?」
稼働しているマッサージチェアに座って、眠っている様子の一人の男性。緑色のパーカー姿の彼は、まさしくチョロ松くんだった。
な、なんでこんな時間にチョロ松くんが?まだ二時間くらい前なのに。
ううん、それよりも、まさか一人なのかな?みんなで来てるなら、絶対他の5人も近くにいるはずだよね。先に上がったとか?
「…う…ん…」
マッサージが気持ちいいのか、時折小さく声を漏らす彼。
それもだけど…チョロ松くん、寝顔可愛いなぁ…
好奇心のような何かが自分の中で疼いてしまい、私はそっと眠っているチョロ松くんの頬をつつく。ぷにぷにして、柔らかい。
「……ん…?え、あ、誰…」
いけない、起こしちゃった。彼は徐々に目を開くと、私の姿を見て驚愕の表情を浮かべて飛び起きた。
「わぁぁあッ!!な、ななな、君もしかして絵菜ちゃん!?な、なんっ…わぁぁッ!!」
…そ、そんなに驚かなくてもいいのに…なんだかショックだな…。
「ご、ごめんね、チョロ松くん、びっくりさせちゃって。あと、ここ一応公共の場だから…」
「…あ…そ、そうだね…ごめん」
大人しくなったチョロ松くんを見て安堵する。…まさか、こんな形で再会するなんて。
「ひ、久しぶりだね、絵菜ちゃん。お風呂、もう入ったの?」
「あ、うん。チョロ松くん、もしかして一人?」
「ああ、そうなんだ。珍しいよね。でも僕、どうしてもこのマッサージチェアを使ってみたくてさ。みんなと一緒に来ると取り合いになるしゆっくりできないから、早めに来たんだよ」
「なるほど…」
チョロ松くんもこれ狙いだったとは…私と一緒で、なんだか嬉しいな。