第22章 恋い焦がれたその先に【チョロ松END】
【絵菜side】
「笹倉さん、次はこっちのデータ処理お願いね」
「はい、分かりました」
ひたすらパソコンとにらめっこする毎日。莫大な量の文字や数字との格闘。正直、この仕事はかなり大変だ。
もちろんこれ以上に大変な仕事なんて、世の中には山ほどある。目標もある以上、弱音なんて吐いていられない。
…それにしても、肩凝りがすごいな。座りっぱなしだから腰も痛い。
そういえば、銭湯にマッサージチェアなかったっけ。この間番台のおばあちゃんが思い切って奮発したとかなんとか言ってたような。
買うお金も置く場所もないし、今日銭湯に行った時にさっそく使わせてもらおう。
仕事を始めてから、私は夜に銭湯に行くようになった。休みの日は変わらず朝だけどね。
でも、6つ子のみんなとは微妙に時間帯が違うため会わない。朝早い分、夜はすぐ寝るようにしてるから、どうしてもそうなってしまう。
…そろそろ、一回でもいいから会いたいな。私から今度お茶にでも誘ってみようか。近くにスタバァもあるし。
チョロ松くん、元気かな…。
……ん?あれ、なんでチョロ松くんだけ?
ぶんぶんと首を横に振って仕切り直す。…みんな元気かな、だよね、うん。
銭湯に着き、中に入る。一番混む時間帯なため、たくさんのお客さんが出入りしていた。
脱衣所で服を脱ぎ、浴場に入る。ささっとシャワーを浴びてから、湯船に浸かった。
あったかい…癒される〜…これだけでもだいぶ疲れは取れるんだけど、上がったらマッサージチェアに特攻しなきゃ。空いてるといいんだけど。
髪と体を洗ってから浴場を出て、持ってきていたジャージに着替える。髪を乾かして、私はマッサージチェアが置いてある共用スペースに向かった。
一つしかないらしいけど…あ、あった!
目を輝かせる。でも、そこには先客がいた。