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【おそ松さん】本気の恋と、6つ子と、私。

第21章 君の瞳に映るのは【カラ松END】





「ふぃー、食った食ったー!」


「食べ過ぎだよ、おそ松兄さん。あと飲み過ぎ」


「一松兄さんだいじょーぶー?」


「うぷ…吐きそ…」


「ちょ、また「オロロロロロロ」ってぎゃああ!いい加減学んでえぇっ!!」


なんだか懐かしいな…出会った時のやり取りと一緒かも。


少し前を歩くみんなを微笑ましく眺めていると、不意に腕を引かれた。


「きゃっ…カラ松くん?」


「こっちだ」


それまで黙って私の横を歩いていたカラ松くんが、ぐいぐい腕を引っ張ってみんなとは反対方向に連れていこうとする。


「ま、待って、せめてみんなに挨拶だけ…


「必要ない。俺から後で言っておく」


「でも」


「いいから」


所詮、力で敵うはずもなく、私はそのまま彼に引き摺られるように連れていかれてしまった。



***



「…行ったみたいだね」


「やっとかよ。あいつほんっとーに手間がかかるよなぁ」


「…別にほっとけばいいのに。黙ってたってそのうちさ…」


「いやいや、あの自称ナイスガイに彼女ができたのなんて初めてなんだよ?これくらいしないと絵菜ちゃんが可哀想だよ」


「僕らも人のことは言えないけどね。確かに荒療治だけど、ま、何かあったら首謀者のおそ松兄さんの責任ってことで」


「そうだね!」


「はぁ?!せめて連帯責任だろ!……幸せになれよ、カラ松」



***



どこに連れて行かれるんだろう…と内心ドキドキと不安が入り交じっていたのに、


着いたのは、私の家だった。


…ただ、送ってくれただけなの?ううん、それはいいんだけど、私は、もっと…


「…いきなり誘って、悪かったな。明日も仕事だろう?ゆっくり休んでくれ」


「え、あのカラ松く


「それじゃあ…」


…だめ。カラ松くんが行ってしまう。


私は駆け出して、彼の背中に抱きついた。


「!」


「待って、カラ松くん!私…」


「……」


彼は、何も喋らない。


私の手に触れる。外される…離れていっちゃう。


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