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【おそ松さん】本気の恋と、6つ子と、私。

第20章 繋がる想いは永遠に【おそ松END】





午後5時。残業もなく、定時に上がることができた。


それにしても、榊さんの用事が気になって、午後の仕事は全然集中できなかった。一体何を言われるんだろう?


…多分、1ヶ月前の私だったら、こんな誘いは怖くて無視していたかもしれない。


彼を信用していないわけじゃなくとも、男の人というだけで抵抗があったからな…でも今は大丈夫。まだ帰っていない人もいるし、何かあったら助けを呼べばいいんだから!


…って、さすがに失礼か。大きく深呼吸して、私は休憩所に入る。


すると、窓を開けてタバコを吸っている榊さんの姿があった。彼はこちらに気付くと、タバコを消して向き直る。


「お疲れ。悪いな、早く家に帰りたいだろうに拘束してしまって」


「お疲れ様です。いえ、それはいいんですけど…あの、どういった用件でしょうか?ま、まさか、何かお叱りでも…?」


仕事に関してはわりと厳しいこの人ならありうる…と身構えるも、彼はおどけたように笑う。


「ああ、違う違う。もっとこう、単純な話だよ」


「はぁ…単純な話、ですか?」


ますますよく分からない。お叱りでないなら、なんなのだろう?


きょとんとしていると、彼は一歩、私に歩み寄った。そして口を開く。


「先輩として、まだ入社して間もない君にこんなこと言っていいものか迷ったんだけど……俺と、付き合ってくれない?」


「………は」


目が点になる。うまく頭が働かなくて、何を言われたのか理解するまでに時間を要した。


……つ、付き合ってって…それってつまり、告白!?


理解した瞬間、私は顔を真っ赤にさせて素早く後退りしてしまった。な、ななな、何言ってるのこの人!!


「あー…やっぱ引かれちゃったか。それとも何、ひょっとしてもう彼氏いる?」


「え?彼氏…?」


…なぜかその瞬間、私の頭に思い浮かんだのは、おそ松くんだった。


ここしばらく顔を合わせていない。声すら聞いていない。でも、会いたいと思っていた彼。


もちろん、付き合ってなどいない。それなのに、どうして¨彼氏¨と聞いて真っ先におそ松くんを思い浮かべたのだろう。


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