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【おそ松さん】本気の恋と、6つ子と、私。

第18章 運命の人





***



「チョロ松兄さん」


居間でくつろいでいたチョロ松は、トド松の声に振り向く。


「トド松?どうしたの」


トド松はちゃぶ台を挟んでチョロ松の向かいに座った。


「僕、チョロ松兄さんに話があるんだ。聞いてくれる?」


「いいけど…なんで僕なの?」


「んー、なんとなく?チョロ松兄さんが一番話しやすいかなって。他のみんなだと話すだけで疲れちゃうもん」


「ああ、それはまぁ…確かにね」


「それで話なんだけど。…僕ね、絵菜ちゃんのことが好きなんだ」


真剣な眼差しを向けてくるトド松。それまで笑顔だったチョロ松も、真面目な表情になる。


「…そっか」


「チョロ松兄さんもでしょ?」


「…僕は…」


チョロ松は言葉を詰まらせる。


その彼の様子を見て、トド松はわざとらしくため息をつき、かぶりを振ってみせた。


「はぁ、これだからライジング兄さんは。何を遠慮してるのか知らないけど、弟にすら自分の気持ちを正直に言えないんじゃ、一生最底辺から抜け出せないよ?」


「…っうるさいな、そんなこと分かってるよ。…弟だから、兄弟だから、言えないんだろ」


「じゃあチョロ松兄さんは、彼女のことを諦めるの?自分の気持ちを無理やり押し込めて、ずっと黙ってるつもり?」


「……」


「チョロ松兄さんや僕だけじゃない。他のみんなだって、彼女に好意を抱いてる。でもきっとみんな引いたりなんてしないよ。チョロ松兄さんだって本当は…


「俺は!…争いたくないだけだよ。6人で絵菜ちゃんを取り合うような真似はしたくない。それに、大事なのは彼女の気持ちなんだ。俺が素直になろうがならまいが、これだけは変わらない。…諦めるつもりはないよ。けど彼女が俺以外を選んだらちゃんと祝福する。それだけだ」


まっすぐ、強い決意の篭った瞳でトド松を見据える。…彼は、安心したように口元を綻ばせた。


「…うん、それならいいんだ。僕だって取り合いをしたいわけじゃない。兄さんたちとは対等でありたかっただけ。…誰が選ばれても、後悔はしないよ」


「ああ…そうだね」


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