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【HQ】卒業の日【影山】

第1章 卒業の日


邪魔したな、とはまた...
飛雄ちゃんとの関係性を誤解されてしまっただろうか...否定をしようにも二人はすでにもう見えないところまで行ってしまっていて、追いかけるにはもう手遅れのようだった。
『そういえば、さっき飛雄ちゃんはなんて言いかけてたの?』
ギクリ、と飛雄ちゃんの肩が跳ねる。
そして、あー...とかうー...だの口ごもった末に飛雄ちゃんは口を開いた。
「名前先輩は、なんで烏野に来たんですか」
今日で最後だから、聞いてもいいすよね?飛雄ちゃんはそれだけ言うと黙って私を見つめていた。
『...私ね。バレーが好きだった。さっきは嫌いだって言ったけど、あの頃は徹くんと岩泉くんの、阿吽の呼吸のようなプレイが大好きで、そんな二人を応援していた』
私と徹くんと岩泉くんは所謂幼馴染というやつで、昔から仲は良かった。
『そしてあの日、飛雄ちゃんが入学してきたね。入ってきた瞬間、すぐにビビッときた。あ、この子はすごいなって。そして、飛雄ちゃんが入ってきたあとの徹くんと岩泉くんをずっと見てきた。悩んだ時期もあった、でも、二人は立ち止まらなかった。そんな二人を見て、私は、あの二人には、必要ないなって、そう思って。二人はそんなことはないって言ってくれたけど、あの二人は私なしで既に完成していた。そう思って青城に行くの辞めて烏野に行ったの。それに、私は見たくなかった』
そこまで言うと、飛雄ちゃんは頭に疑問符を浮かべる。
『コート上の王様』
このワードを出した瞬間に飛雄ちゃんは目を見開いた。
『せっかくの才能が潰れていくのを、見たくなかったし、逃げてた。だから、あの日飛雄ちゃんが烏野に入学してきてすごく焦った。でも、それは心配いらなかったね』
やっぱりバレーのことを諦めきれなくて、有名なコーチがいるという烏野高校に来て、毎日こっそり練習を眺めていた。
『飛雄ちゃんが入部してから、どんどん翔陽とのコンビネーションが良くなっていって、そんな飛雄ちゃんを見てるのがいつの間にか大好きになってた。そしたらある日武田先生に言われたの』
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