第1章 卒業の日
バレー部でのお別れ会。
みんなで楽しく、真剣に。
白熱した最後のゲームが繰り広げられていた。
私と潔子ちゃんと仁花ちゃんで、そんなみんなのゲームを見守っていると、武田先生にちょいちょいと手招きをされた。
「苗字さん」
『武田先生、何かご用でしょうか?』
何か準備するものでもあるのだろうか、そう思い武田先生に用件を尋ねると、
「ああ、違う違う!」
という返事のあとに...
「今呼んだのはそういうのじゃなくって...良かったでしょ?烏野高校排球部に入って」
ふいに、あの人の後ろ姿が脳裏にフラッシュバックする。
あれはもう、今から1年前になってしまうのか。
あの日、飛雄ちゃんとの、二度目の出会い。