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ふたつ手と手

第2章 再会


『大倉くん、久しぶりだね‼』

『私のこと覚えてる??』

『今、何してるの??』

大倉「久しぶりやね。今は、バイクの整備工場で働いてんねん」

『えーっ‼意外‼』

忠義の周りには女の子の輪ができ、質問攻めにされている。
そんな忠義を置いてきたしょうちゃんが声をかけてきた。

風月「相変わらず、モテモテだね」

安田「だから、本人はあんまり来たがらなかってんけど…」

「けど??」

安田「やっぱり今のままはアカンと思うねん。僕さ、大倉とちゃんはあのまま結婚するんやって思っててん。でもあんなことがあって…やっぱりお互いにツラい思いをしてるのは違うと思うねん」

風月「お互いに??」

安田「ちゃんもツラいと思うけど…大倉も思い出せないことに苦しんでんねん。何か大切なものを失った気がするって」

風月「それって、のこと??」

安田「本人はそれが人か物かは分かってないねん。僕は本人が思い出すまで何にも言わないけど…見てたらやっぱりツラいねん」

「でも、私は思い出せない忠義を見てツラくなって逃げたの。今さら思い出してほしいなんて…」

安田「ちゃんも十分苦しんでんねんけどなぁ…」

風月「どうしたら正解なんだろうね??」

「……」

安田「あっ‼そう言えば、これ終わったあとに何か用事ある??」

風月「私はないよ」

「私もないけど…」

安田「せやったら、4人で二次会せえへん??」

風月「私はいいけど…」

「う~ん…」

安田「無理にとは言わへんよ??美味しいお酒飲みに行かへん??」

「…じゃあ、ちょっとだけ」

安田「O.K.~‼逃げんとってや(笑)」

大倉「ヤスーっ‼」

安田「はーいっ‼…ちょっと、大倉助けてくるわぁ(苦笑)」

忠義からのSOSが入り、しょうちゃんは苦笑いしながら女の子の輪の中に入っていった。

風月「…大丈夫??」

「大丈夫だよ??普通にしてたら。高校の頃に戻るだけだよ」

風月「がいいならいいけど…」
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