第8章 想い
コンコンッ
「はい??」
安田『僕』
「入っても大丈夫だよ(笑)」
ガラガラッ
安田『失礼しまーす(笑)』
メールを入れてしばらくしてコンビニの袋を下げたしょうちゃんが病室に来た。
安田「まだ食べたりはできないやろうから、お水とアクエリ買ってきた」
ベッドの近くに置いている椅子に腰かけながら嬉しそうに袋を見せるしょうちゃんに違和感を感じた。
「しょうちゃん??」
安田「んー??」
「何かあった??」
安田「なんもないで??」
笑顔を向けるしょうちゃんの顔に手を伸ばし頬を撫でる。
「なら…どうしてそんなに悲しそうに笑うの??」
安田「……」
「しょうちゃん??」
安田「さっき、大倉と話ししてきてん…」
「えっ…??」
安田「一応、連絡入れてん」
「なにか言ってた??」
安田「イヤ…」
「なら、どうしてしょうちゃんが泣くの??」
安田「…もう、見てられへんかってん。なんで大倉のことでちゃんがこんなに苦しんだり傷ついたりせなアカンのん??」
「しょうちゃん…」
急に目の前が真っ暗になった。すぐにしょうちゃんに抱き締められていると理解した。
安田「僕やったらあかん??僕なら、ちゃんのこと苦しめたり傷つけたりせえへん」
「でも…」
安田「ちゃんの中に大倉がいるって分かってる。それでも僕はかまへんよ。僕がちゃんのことを守りたいねん」
しょうちゃんは「返事はゆっくり考えて??」と言って帰っていった。
しょうちゃんのあんな真剣な目を見たのは初めてだった。もしかして、今までいろんなことで助けてくれたのは私のことを思っていたから…??
しょうちゃんの気持ちを知って眠れない夜を過ごした。