第3章 不信
「お先に失礼します‼」
『お疲れさまー‼気をつけて』
大量のコピーを終わらせまだまだ仕事の残っている上司に挨拶をし、早々と会社を後にする。
「寒っ‼」
大倉「ちゃん??」
「えっ!?!?」
大倉「待ち伏せみたいなことしてごめんなぁ(苦笑)こうせえへんと、会えへんきがして…」
「最近、ずっと残業続きで…返事もあんまり返せなくてごめんね(苦笑)」
大倉「いや、それはかまへんのんやけど…」
言葉を濁す忠義の言葉を待っていると、同じように仕事を終わらせた嵐くんが会社を後にして私に気がつき声をかけてきた。
嵐「さん??」
「あぁ‼お疲れさま」
嵐「…その人、誰ですか??」
「高校の同級生なの」
嵐「そうなんですね…。さんの後輩の嵐です」
大倉「あっ…大倉です」
嵐「さん、大倉さんがいるんやったら今日は帰りますね。また、月曜日に」
「うん…お疲れさま」
忠義を一睨みして嵐くんは家の方へと歩きだした。
そんな嵐くんの様子から申し訳なさそうに忠義が声をかけてきた。
大倉「…俺、邪魔やった??」
「ううん、大丈夫だよ(苦笑)それより…いつから待ってたの??」
大倉「いつから待ってたやろ??(笑)」
「3月終りとはいえ、寒かったでしょ(苦笑)」
大倉「おん。やから、どこかご飯食べにいこっ‼」
「えっ…///」
ふいに腕を掴んで歩きだす忠義に置いていかれないように必死に後ろをついていく。