第3章 不信
外回りに出ている人の代わりに書類を作らなければいけないが、この時期はその仕事にプラスして4月から入ってくる新人さんの用意も入ってくる。
部長「さん、この書類新人研修に使うからコピーお願い」
「はい」
部長「この時期は人手が少なくてごめんな(苦笑)」
「もう、毎年のことなので…(苦笑)」
部長「来年こそは後輩ができるといいんだけどな」
「そうですよ‼これだけ働いてて、何で私が下っ端のままなんですか‼」
部長「事務ってそんなに枠がないから仕方ないな(笑)」
「(笑)…だったら、甘~い物が届くの期待してますよ、部長‼(笑)」
部長「コピー代、高くつくなぁ(笑)」
「(笑)」
あれから、忠義からご飯の誘いがあるけど…2人で行くのは気まずいのもあるから、残業はちょうどいい断り理由になっている。
「そろそろ、断り続けるにも限界だよね…」
部長に頼まれた資料のコピーを見つめながら自然とため息を漏らす。
そんなに私の後ろに嵐くんがいつの間にか現れていた。
嵐「さん??」
「あぁ‼嵐くんも、残業??」
嵐「報告書作るの忘れてたんですよ(苦笑)」
「明日休みだから、今日中に仕上げないと帰れないもんね(苦笑)」
嵐「そうなんですよ…。まだかかりそうなんですか??」
「いや…このコピー終わったら帰れるよ」
嵐「なら、報告書マッハで終わらせるんで一緒に帰りません??」
「イヤイヤ…嵐くんと一緒に帰ったら、女の子達に怒られちゃうよ(苦笑)」
嵐「大丈夫ですって。それに、こんな時間に女の人1人で歩かせるなんてできないですし」
「でも…」
嵐「じゃあ、駅まで送らせてください‼終わったら、正面玄関集合でっ‼」
嬉しそうに笑いながら戻っていく後ろ姿を見ながらまたため息を漏らす。
「最近の男の子ってあんなに強引なんだ…(苦笑)」