第30章 おそ松くんからのプレゼント
「しかしあれもこれもいいなー!」
とウキウキが止まらないおそ松くん。私はそのテンションについていくのが精一杯であった。おそ松くんは急に立ち止まり、
「射的か……よし、やろう」
と言ってからの行動は早く、すぐに射的屋のおじさんにお金を支払っていた。私は、
「おそ松くん。射的なんて出来んの?」
と問う。
「んー……分かんねぇけどなんかやりたくなった」
(おそ松くんらしいや……)
おそ松くんが一発打った。狙っていたのは中くらいのペンギンのぬいぐるみ。少しかすった。
「惜しい……!」
私は思わず口に出す。残りは4発。
「やっぱむずいな……」
と狙いを定めつつおそ松くんは言う。そしてまた一発。今度は真ん中を的中させたが落ちはしない。
「はっは! 坊や、このペンギン意外に重いからな……後3発で落ちるかな」
この射的屋のおじさんも意地を張って言ってくる。そして一発……もう一発と狙って打ったが落ちない。景品に当たっているのにも関わらず落ちない。
「ねぇ……こんなに当たっても落ちないならもっと別なので安全に何か取ろうよ」
と私は薦めたのだが、
「いや、これ取る」
の一点張り。そして最後の一発。狙いは良い。