第57章 end story 〜クリスマス〜
「はいできた」
と私が言い終わると、その手が私の頬に触れた。突然のことに思わず照れてしまう。見上げてみるとおそ松くんと目があう。
「松野ちゃんの頬……冷たい……」
するとおそ松くんの顔が私へ近づいてきて、
(えっ、これって……まさか……いやいや! そんなこと……)
とドキドキが止まらない。そして思わず目を瞑ってしまった。しかし、
「はぁー……」
と私の胸の辺りでため息が聞こえてきた後に、頬にあった手は私の肩へと降りていた。私はそっと目を開けた。
「やっぱ流れではやめるよな、普通。でも我慢出来そうにねー……」
と口にこぼすおそ松くん。私は、
(よかった……けど……ちょっと残念? かな)
なんて思ってしまった。その後おそ松くんは少し周りを見渡した後、不意に私のおでこにキスを落とした。そしてまたお互いに顔を見あわせる。私は不意打ちに驚き、声が出なかった。おそ松くんは、
「今はこれで許して」
とニヤニヤ私に言ってきた。私はついカッとなって、
「バッカじゃないの!」
と言ったが内心はとても嬉しく、クリスマスの思い出として記憶に残ったのだった。
Fin.