第29章 松野たちの花火大会
「はじめまして、一松くん」
「……」
(あれ……無視……?)
私は不思議に思った。けれど、
「あーこいつはこういうやつだから。なんかごめんな」
とおそ松くんは言う。しかし突然、一松くんは猫を抱えてゆっくりと立ち上がり、
「ども……一松です……」
とぼそぼそっと話してきた。
「どっ……どうも……松野です……」
緊張のあまり、少しつっかえた言い方になってしまった。お互いの挨拶が終わると一松くんはまたゆっくりとしゃがみ猫を離して遊び出した。
「一松ー。お前はどうする? ここで猫といる?」
おそ松くんは一松くんに話しかけると小さくだが彼は頷いた。
「よし、じゃあとりあえず席あるとこまで行きますか!」
とおそ松くんは言うと他4人も後を追うように屋台がある方へと歩いていった。