第29章 松野たちの花火大会
最寄り駅に着くと見覚えのあるような色合いの甚平を着た3人がすぐに確認できた。私たちはそちらへ足を急ぐ。
「よっ、松野ちゃんと女の子ちゃん」
と赤い色の甚平を着ているおそ松くんはそう言い手を振る。その場をすかさずピンクの甚平を着た松野くんが横入りをし、
「わー! どっちか分かんないけど松野ちゃんだよね? 2人ともだけど会えて嬉しいな。あっ、僕は末っ子のトド松でーす」
と可愛らしい感じが印象的なトド松くんが挨拶に来た。
「おい、トド松。右にいるのが松野ちゃんで、左が女の子ちゃんだからな」
とおそ松くんは補足で私たちのことを説明してくれた。
「そうだよ、トッティ。あっ女の子ちゃんはじめましてー。僕十四松!」
「十四松くん、はじめまして」
と初対面の2人は挨拶を交わした。
「そういえば後の3人は……」
と私は言うと、
「あっ、それならチョロ松とカラ松は席取るからとか言って先に行ったぜ。で、一松は……あそこ」
とおそ松くんは指を指して言う。その先には紫色の甚平を着た子がしゃがんで猫と遊んでいる。私たちはそちらへ向かうことにした。