第26章 松野、反省と約束
作業中盤、ある生徒が昇降口へときたようだった。
「おっ、チョロ松じゃん」
その主はチョロ松くんだったようだ。私はチョロ松くんの死角からは見えない位置で掃除をしていたので、2人の声を聞くだけの体制となっていた。
「なになに、お前も掃除だったの?」
「当たり前だろ、学級委員なんだから。でも、同じクラスの子が来なくて僕1人で教室終わらせたんだよ。まっ、僕だけの方が気が楽だったからよかったんだけどね」
(結構苦労してんな……)
と下駄箱の掃除をしながら思う。
「そっか……てかさ、この後暇だろ? だったら手伝ってけよ、なっ!」
(おっ、流石は長男!)
これで少しは楽になると思いきや、
「えっ、やだよ。この後にゃーちゃんのCDをフラゲに行くんだから」
あっさり拒否。
「はぁ! またレイカかよ……」
「だからレイカって誰のことだよ……ったくもう……あっ、そういえばおそ松兄さん、今度の花火大会行くんだっけ? あれ僕も行くよ」
(えっ……)