第24章 夏休みの松野たち
私はふと、窓の外を見た。そこに広がる景色はグラウンドであり、部活動の生徒が炎天下の中、汗を流して練習に励んでいる。その中でも、1人の生徒の声がよく響く。
「よいしょーーー!!!」
その声はどこかで聞き覚えがあった。おそ松くんは私の目線と外の声に気づいたのか、私の元へ駆け寄り、
「あっ、十四松じゃん!」
と窓の外を見て声をあげる。
(あぁ……あれが……)
確か、六つ子一覧表のイラストには口が大きく開いたおそ松くんの顔が描かれていた気がする。教室からに見えた姿は小さいが感じ的にそう見えなくもなかった。
「なぁ、ちょっと野球部見に行ってみねぇ?」
とおそ松くんは私に提案してきた。
「えっ、でもまだ掃除途中……」
私は正論を言う。しかし、
「んなもん後ででいいじゃん。鞄はここに置いてくわけだし……てことで行こうぜ!」
とおそ松くんは教室から飛び出して行った。
「あぁもう!」
私もおそ松くんの後を追うように教室を出て行った。
(これだからおそ松くんは……相変わらず面白いや)