第20章 松野たちのテスト結果
「でもさ……僕がアイドル好きってことは、周りのみんなには内緒にしててくれないかな?」
チョロ松くんは少し照れた表情で私に話す。そういえば図書室での時、ドルオタとおそ松くんが言った後、チョロ松くんは今と同じように照れていたのを思い出した。私は、
「私は別にいいと思うけどな。好きなものに関しては堂々としていなきゃ。あっ、そういえばさ、レイカさんにはあの缶バッチあげれた?」
私はせっかくなので、おそ松くんが前に話してくれた缶バッチのことを思い出したので聞いてみることにした。けれど、
「えっ、レイカって?」
チョロ松くんはポカンと私を見て言う。
「うん……レイカさん。前におそ松くんが言ってたんだけど……」
私は何か悪いことをしたと思い緊張が走った。そしてチョロ松くんは大きくため息をついて、
「はぁ……そうだったんだ。あのね、松野さん。僕が好きなのは“レイカ”じゃなくて“にゃーちゃん”っていうアイドルなんだ」
と訂正してくれた。
「あっ、そうなんだ……ごめん。誤解してた」
と私は間違いを認めた。チョロ松くんは、
「いや、松野さんは何も謝ることなんてないよ。ごめん、ちょっとクソ長男のとこ行ってくるわ。それじゃ」
そう言い残し、チョロ松くんは私の元を去っていった。ちなみにチョロ松くんの表情から照れは消え、私に見えたのは今その場にいないおそ松くんを怒るような表情だった。