第20章 松野たちのテスト結果
ピンクの末っ子という言葉をチョロ松くんから聞いた時、ふとリストバンドのことを思い出し、私はチョロ松くんの手首を見た。
(あっ……)
そこには前に私が六つ子に買ったリストバンド、チョロ松くんは緑色のを付けていた。その視線に気づいたチョロ松くんは、
「あっ、そういえばこれ、松野さんが僕らの誕生日にくれたやつなんだよね? とても嬉しかったよ、ありがとう。でも僕、松野さんに誕生日教えた記憶ないんだけどな……」
チョロ松くんはニヤつきながら私の方を見る。
「そっ、それは……」
きっとおそ松くんが六つ子に渡す時に言ったのだろう。けどそれをチョロ松くんに言われるまで知らなかった私。おそ松くんなら、
『チョロ松から聞いたって嘘だったじゃねーか!』
と言われてもおかしくない。しかしあの時の私たちの関係を考えてみると、そのような余裕はなかったのかもしれない。私は少し得をした気持ちになった。私は仕方なく、あのリストバンドを渡した日のことをチョロ松くんに話した。
「へー……てことはおそ松兄さんと前みたく話したくて、このリストバンドを買ってプレゼントしたってわけね。で、そのあげた日がたまたま誕生日だったと……」
チョロ松くんは私の言ったことを復唱するように話した。