第16章 六つ子に生まれたよ
「あの! おそ松くん」
私は女の子と先日、おそ松くんが教えてくれた鞄の色を参考にリストバンドを買いに行った。そして今日はそれを渡そうと決めた日。
「ん?」
おそ松くんはきょとんと私を見る。
「あっ、あのね……これ渡したくて……」
私は恐る恐るリストバンドが入っている紙袋をおそ松くんに渡した。受け取ったおそ松くんはそれを見て驚いていた。
「わあすっげ、リストバンドだ! しかもこんなに……えっ、なになに、もしかして誕生日プレゼント?」
(誕生日……?)
私はその発言に驚いてしまった。そういえば私は六つ子の誕生日を知らない。今回のプレゼントは、おそ松くんとの話のきっかけになるだろうと思い渡したのだから。日付なんて関係ない。
「えっ、今日って誕生日なの?」
思わず聞いてみた。
「うん、だって今日5月24日。俺ら六つ子の誕生日だもん」