第15章 おそ松くんとの距離
「それじゃ早速、買いに行こっか」
突然、女の子さんはそう言い出す。私は驚く声で、
「えっ、今から? てか、いいの?」
と問う。
「そりゃもちろんだよ。誰かに頼られるってさ、結構嬉しいんだよ」
女の子さんは文字通り、嬉しそうに話す。
「後さ、私のことは女の子でいいよ。だって友達……いや、親友なら呼び捨てで呼ばれたいじゃん!」
また女の子さんは嬉しそうに話す。
(友達というより親友……)
私も嬉しくなり、
「じゃあ女の子って呼ぶね。それじゃうちも呼び捨てで……」
「あっ、それは大丈夫だよ」
私の言いかけの言葉だったにも関わらず、女の子は否定をしてきた。
「でも松野さんっていうか、松野ちゃんって呼んでもいい? 実は気に入ってるんだよね……みんなそう呼んでるし。もちろんおそ松くんも」
女の子さんは少しニヤけるように話していた。私は、
「そっか……じゃあ松野ちゃんって呼んで。それと……私もその呼び方、気に入ってる」
そう2人で笑いながら駅へと歩いて行った。
(おそ松くん、ありがとう。お陰で友達……いや、親友ができました)