第12章 松野班の校外研修
実は言うと、私はペンギンが大好きというほどまで好きではない。なのでショーに関しても絶対見たいというほどではなかった。しかしおそ松くんはどうやら勘違いを起こしたらしい。今更断るのも色々気を遣わせてしまうと思い、
「うっ、うん……」
と返事をし、1時の公演に間に合うよう私も支度を始めた。しかし残りの班員2人は何もしていない。というか女の子さんと男の子くんはコソコソと何かを話していた。その話が一段落ついたのか、
「松野ちゃんたち。私たちのことはいいから、2人で行ってきなよ」
そう言い出す女の子さん。私は疑問に思ったが、女の子さんの顔を見てなんとなくだが予想がついてしまった。
「えっ、マジで? みんなで見た方が絶対楽しいのに……まあいいや。じゃあ松野ちゃん行こ!」
そうおそ松くんが言うと私たち松野はペンギンショーが行われる水槽まで走り出した。