第11章 おそ松くんと5人の松野くん
「はいこれ。じゃあ松野学級委員よろしくな」
班を決めた数日後、部活動案内を冊子にする時同様、今度は校外研修のしおりを冊子にしろと担任の先生から任された。ちなみに松野学級委員という名は担任が私たちに勝手に付けたものであり、職員室では何かと話題になってるそうだ。校内でもそう呼ばれる日は遠くないかもしれない。
「げっ、またかよ……」
おそ松くんは呟く。私も同意見だ。
「今度も多いけど、頑張れよ。じゃっ、よろしくな」
担任はそう言うと職員室内へと戻っていった。
「なんだよ……ったくもう……」
2人で教室に向かう最中も、やはり愚痴が多いおそ松くん。それを横目で見る私。こうしていると前に女の子さんと話していたことを思い出す。
(やっぱ同じ顔が六つっておかしいよね……その中でもなんでおそ松くんだけこんな意識しちゃうんだろう。かと言って他の松野くんと2人きりになったことはないけど)
「まー、さっさと終わらせちゃおうぜ。松野ちゃん!」
おそ松くんは場を受け入れ、早歩きで自分たちの教室へと先へ行く。しかし私の場合、このような雰囲気にはもう慣れた。なのでゆっくり歩いて向かうことにした。