第10章 松野さんって…
女の子さんはそれを聞いて、
「そうなんだ。じゃあ私が狙っちゃおうかなー……付き合えたら面白そうだし」
と言う。私はまた動揺を隠せなかった。そして女の子さんは笑う。
「あはは、冗談だって。てか動揺しすぎ。これじゃ本当に好きみたい。でもお似合いだと思うな。やっぱ好きなんじゃないの?」
そう問われると、
「いや、ないない。けどお似合いなんだ……」
私はそう聞いて急におそ松くんを意識して考えてしまった。
(私がおそ松くんを好きになる。可能性は0ではないと思うが。てかまず六つ子だから。結局は同じ顔が6人いるから。だから前にたまたま会ったチョロ松くんも同じ顔じゃん。それでおそ松くんを好きだなんて……)
「うん、お似合い。まあ何かあるといいよねー……校外研修楽しみだな」
女の子さんは笑顔で私を見る。
「うん……何かね……」
女の子さんは一体何を考えているのか。私は少し不思議な子と友だちになってしまったのかもしれない。